第6回 感染性胃腸炎
冬に気をつけたい感染症 ~感染性胃腸炎~
2016.12.20
正しく手洗い 食材加熱 汚染物 確実に処理
【相談者】
Mさん 32歳女性。家族が感染性胃腸炎にかかってしまいました。家族にうつらないようにどんなことに気を付けたらいいでしょうか。
県内では例年、11月下旬から感染性胃腸炎の発症が増加します。ウイルス性と細菌性があり、冬に流行するのはほとんどノロウイルスが原因です。ノロウイルスは感染力が非常に強く、わずか10個から100個のウイルスで感染してしまいます。
ノロウイルスの感染は、嘔吐(おうと)や下痢で周囲が汚染されてウイルスにさらされる場合、飛散した嘔吐物が乾燥して空気中に舞い上がり吸い込む場合、食品を扱う人が感染し、その人が調理した食品を食べた場合などに起きます。
発症までは1~2日、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱で、通常これらの症状が1~2日続いた後に回復します。症状が治まっても1週間程度、便中にウイルスが排出されることがあります。感染していることを自分で気付かないまま便中に排出されることもあります。
■予防は?
せっけんで十分に手を洗い、ウイルスを洗い流すことが重要です。食品を扱う場合は指輪などを外し、調理前とトイレの後は十分手を洗います。ノロウイルスに対してはアルコール消毒剤の効果がはっきりしないと言われていますが、細菌や他のウイルスには有効です。日頃からきちんとした手洗いを習慣付けましょう。
食材は、中心温度85度で1分以上加熱すれば感染性を失います。加熱できないサラダなどは十分に手を洗い、食品を汚染しないように注意します。調理済みの食品も、汚染しないように取り扱うことが大切です。
■かかったら?
ノロウイルスに効果のある薬はありません。対症療法として脱水症状を防ぐことが重要です。特に乳幼児や高齢者は、脱水症状を起こさないように水分と栄養を十分に補給しましょう。脱水症状がひどい場合にはできるだけ早く医療機関を受診し診察を受けます。下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。トイレを使用した後は、ふたを閉めて水を流しトイレ周辺への飛散を防ぐことができます。
症状のある人は家族とタオルを共用せず、ペーパータオルを使うと良いでしょう。ノロウイルスが大量に含まれているおむつの取り扱いは十分に気を付けてください。感染した家族が入浴する場合は、浴槽に入る前にお尻の周囲をよく洗います。順番は最後に入るなど考慮します。
■便や嘔吐物の処理は?
ノロウイルスには次亜塩素酸ナトリウムが有効です。便や嘔吐物で周囲を汚染したときは速やかに消毒液で処理します。消毒液は家庭用塩素系漂白剤で作ることができます。使い捨てのエプロンと手袋・マスクを着け、足もビニール袋をかぶせて、嘔吐物から半径2メートル以内を外側から内側に向けて濃度1000ppmの次亜塩素酸ナトリウムで浸したペーパータオルなどで拭き取り、ビニール袋に密閉します。最後に使用したエプロンと手袋・マスクなどもビニール袋に入れます。
流水とせっけんでよく手を洗いします。手を洗う前に周囲の物に触れないようにして汚染を広げないように注意します。処理した後、空気中にウイルスが浮遊していることがあるので、部屋の窓を開けて換気しましょう。トイレの便座や手すり、ドアノブなどは濃度200ppmの次亜塩素酸ナトリウムで拭き10分放置します。その後、金属部分は水拭きします。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎を防ぐためには、感染者の便や嘔吐物など直接触れないように注意することが肝心です。慌てず落ち着いて対応してください。必要な物を日頃から準備しておくといいでしょう。
【相談者】
Mさん 32歳女性。家族が感染性胃腸炎にかかってしまいました。家族にうつらないようにどんなことに気を付けたらいいでしょうか。
県内では例年、11月下旬から感染性胃腸炎の発症が増加します。ウイルス性と細菌性があり、冬に流行するのはほとんどノロウイルスが原因です。ノロウイルスは感染力が非常に強く、わずか10個から100個のウイルスで感染してしまいます。
ノロウイルスの感染は、嘔吐(おうと)や下痢で周囲が汚染されてウイルスにさらされる場合、飛散した嘔吐物が乾燥して空気中に舞い上がり吸い込む場合、食品を扱う人が感染し、その人が調理した食品を食べた場合などに起きます。
発症までは1~2日、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱で、通常これらの症状が1~2日続いた後に回復します。症状が治まっても1週間程度、便中にウイルスが排出されることがあります。感染していることを自分で気付かないまま便中に排出されることもあります。
■予防は?
せっけんで十分に手を洗い、ウイルスを洗い流すことが重要です。食品を扱う場合は指輪などを外し、調理前とトイレの後は十分手を洗います。ノロウイルスに対してはアルコール消毒剤の効果がはっきりしないと言われていますが、細菌や他のウイルスには有効です。日頃からきちんとした手洗いを習慣付けましょう。
食材は、中心温度85度で1分以上加熱すれば感染性を失います。加熱できないサラダなどは十分に手を洗い、食品を汚染しないように注意します。調理済みの食品も、汚染しないように取り扱うことが大切です。
■かかったら?
ノロウイルスに効果のある薬はありません。対症療法として脱水症状を防ぐことが重要です。特に乳幼児や高齢者は、脱水症状を起こさないように水分と栄養を十分に補給しましょう。脱水症状がひどい場合にはできるだけ早く医療機関を受診し診察を受けます。下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。トイレを使用した後は、ふたを閉めて水を流しトイレ周辺への飛散を防ぐことができます。
症状のある人は家族とタオルを共用せず、ペーパータオルを使うと良いでしょう。ノロウイルスが大量に含まれているおむつの取り扱いは十分に気を付けてください。感染した家族が入浴する場合は、浴槽に入る前にお尻の周囲をよく洗います。順番は最後に入るなど考慮します。
■便や嘔吐物の処理は?
ノロウイルスには次亜塩素酸ナトリウムが有効です。便や嘔吐物で周囲を汚染したときは速やかに消毒液で処理します。消毒液は家庭用塩素系漂白剤で作ることができます。使い捨てのエプロンと手袋・マスクを着け、足もビニール袋をかぶせて、嘔吐物から半径2メートル以内を外側から内側に向けて濃度1000ppmの次亜塩素酸ナトリウムで浸したペーパータオルなどで拭き取り、ビニール袋に密閉します。最後に使用したエプロンと手袋・マスクなどもビニール袋に入れます。
流水とせっけんでよく手を洗いします。手を洗う前に周囲の物に触れないようにして汚染を広げないように注意します。処理した後、空気中にウイルスが浮遊していることがあるので、部屋の窓を開けて換気しましょう。トイレの便座や手すり、ドアノブなどは濃度200ppmの次亜塩素酸ナトリウムで拭き10分放置します。その後、金属部分は水拭きします。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎を防ぐためには、感染者の便や嘔吐物など直接触れないように注意することが肝心です。慌てず落ち着いて対応してください。必要な物を日頃から準備しておくといいでしょう。